今日の海外トレンド|日本で流行る前にチェック!
ホーム
ファッション
ダサいの淵、オシャレの崖っぷち
ダサいの淵、オシャレの崖っぷち
6月 24, 2025
完璧なものばかりが溢れる世界は、どうしてこうも退屈なのだろう。SNSの画面をスワイプすれば、計算され尽くした「正解」のコーディネートが滝のように流れてくる。美しい。洗練されている。でも、どこかつまらない。そんな息苦しさを感じていたのは、きっと私だけではないはずだ。 だから今、私たちの心は、ほんの少しだけ「歪んだ」ものに惹かれているのかもしれない。見た瞬間に脳がバグるような、思わず二度見してしまうような、そんな愛すべき違和感たちに。 まずは、巷を騒がせる「議論の火種」たちの客観的なプロフィールを並べておこうか。 * **バミューダショーツ (Bermuda Shorts):** 膝が隠れるか隠れないか、絶妙な丈感のパンツ。リラックス感と裏腹に、「休日のお父さん感」が最大の論点。ReformationやCOSなどが、より洗練されたシルエットで提案している。 * **ジェリーシューズ (Jelly Shoes):** 80年代、90年代の子供たちの足元を彩ったビニール製サンダル。MelissaやGAPなどが火付け役。ノスタルジーとキッチュさで人気だが、「安っぽさ」「実用性」の面で厳しい意見も。 * **ポロシャツ (Polo Shirts):** 学生時代の制服やゴルフウェアのイメージが強い、襟付きの鹿の子シャツ。J.CrewやZaraなどが、現代的な着こなしを提案。「真面目」と「野暮ったさ」の境界線が問われる。 * **チューブトップ (Tube Tops):** 肩紐のない、潔い肌見せが特徴のトップス。Y2Kリバイバルの波に乗り、Aritziaなどで人気。解放感とヘルシーさの裏側で、「下着にしか見えない」という声も根強い。 * **バレエスニーカー (Ballet Sneakers):** バレエシューズの可憐さとスニーカーの機能性を融合させたハイブリッドシューズ。Vivaiaやハイブランドからも登場。「可愛いし歩きやすい」という実用派と、「どっちつかずで子供っぽい」という辛口派で意見が分かれる。 * **ジョーツ (Jorts / Jean Shorts):** デニム素材の膝丈ショーツ。ミニ丈のホットパンツとは一線を画す、どこか力の抜けた丈感が特徴。Agoldeなどデニムブランドが牽引。「こなれ感」か「究極の中途半端」か、評価は人それぞれ。 *** さてと。これらのリストを眺めているだけで、なんだか胸がざわついてこないだろうか。それは、ただの流行り廃りの話ではない。私たちの記憶や、心の奥底に眠るコンプレックスを、容赦なくくすぐってくるからだ。 バミューダショーツが「おじさんぽい」と言われるたび、私は父のクローゼットを思い出す。樟脳の匂いが微かに染み付いた、くたびれたコットンの手触り。あれは、家族のために汗を流した男の、気取らない休日のためのユニフォームだった。それを今、オーバーサイズのシャツと華奢なヒールで着こなす女性たちは、無意識のうちに家父長制の記号をハックし、自分のものにしているのかもしれない。(まあ、本人はただ「涼しくて楽だから」としか思っていないだろうけど。その無自覚さも含めて、なんだか痛快じゃないか。) ジェリーシューズの「チープさ」なんて、むしろ褒め言葉だ。あの、太陽の光を乱反射させるプラスチックの透明感。一夏履き潰せば、傷だらけになって輝きを失う儚さ。歩くたびにアスファルトで鳴る「キュッ、キュッ」という間抜けな音。それは、永遠なんて信じていなかった、子供時代の夏の匂いそのものだ。汗でぺたりと肌に張り付く、あの不快で、でもなぜか懐かしい感覚ごと、私たちはもう一度体験したいのかもしれない。 ねえ、あなたのクローゼットの奥で、忘れられたポロシャツが「もう一度、どう?」と囁いている声が聞こえないだろうか。あの息苦しい襟と、行儀の良いボタン。それを今、あえて一番上まで留めて、透ける素材のスカートと合わせてみる。それは、かつての自分に対する、ささやかで、最高にクールなリベンジだ。 そして、この奇妙なトレンドたちの中で、私が個人的に最も心を揺さぶられたのが、バレエスニーカーだ。 **バレエスニーカーとは、大人になりきれない私たちのための、優しい言い訳のような靴だ。** プリマドンナになる夢は叶わなかったけれど、満員電車で戦うためのスニーカーは手に入れた。リボンを結ぶ指先は、トウシューズではなく、軽くて汚れない機能素材に触れている。甘い夢と、ほろ苦い現実。その二つを縫い合わせたこの靴は、諦めたものと手に入れたものの両方を、そっと肯定してくれる。だから私たちは、この靴を履いて、アスファルトの上で精一杯つま先立ちするのだ。 「アリか、ナシか」。SNSでは、まるで国民投票のように日々ジャッジが下される。でも、考えてみてほしい。その二元論の向こう側にある、自分の心の揺らぎこそが、ファッションの醍醐味じゃないだろうか。 ジョーツ(デニムの膝丈ショーツ)の、あのどうにも落ち着かない「中途半端」な丈感。それは、キャリアとプライベートの間で揺れ動いたり、大人と子供の狭間で立ち尽くしたりする、私たちの今の気分そのものじゃないか。白黒つけられない日々に、完璧に寄り添ってくれる服。これ以上の味方が、どこにいるというのだろう。 結局のところ、ファッションは自己満足であり、コミュニケーションだ。「これ、どう思う?」と誰かに問いかけるとき、私たちは服を通して自分の価値観を差し出し、相手のそれに触れようとしている。そのスリリングなやりとりが、つまらない日常に小さな波紋を広げてくれる。 「ダサい」と言われることを恐れて、無難な服ばかり選んでいては、自分の輪郭さえぼやけてしまう。 だから、勇気を出して、その崖っぷちに立ってみよう。 ダサいの淵を覗き込み、オシャレの崖っぷちで片足立ちしてみる。その先にしか見えない景色が、きっとあるはずだ。あなたのクローゼットには、どんな愛すべき違和感が、出番を待っているだろうか。 --- ## 参考リンク * People Can't Stop Debating If These 6 Summer 2025 Fashion Trends Are Ugly or Cute—From \$24 (InStyle) [https://www.instyle.com/controversial-summer-2025-trends-11757530](https://www.instyle.com/controversial-summer-2025-trends-11757530) [1]: https://www.instyle.com/controversial-summer-2025-trends-11757530?utm_source=chatgpt.com "People Can't Stop Debating If These 6 Summer 2025 Fashion Trends Are Ugly or Cute-From $24"
ファッション
コメントを投稿
0 コメント
Most Popular
2026年メイクトレンドは“色と質感の解放”へ——ビビッドカラーと未来系ラメで楽しむ自分らしさ
12月 08, 2025
バンガードがついに暗号資産ETFを解禁、個人投資家にビットコインなどへの新しい窓口が開く 🎉
12月 08, 2025
『Cosmic Princess Kaguya!』公開直前 ― 最新トレーラー公開 & その魅力を大解剖 🌕🎶
12月 07, 2025
Tags
AI
SNS
アニメ
インターネット
エンタメ
ガジェット
ゲーム
サイエンス
スポーツ
セキュリティ
ソフトウェア
ドラマ
ビジネス
ファッション
ライフスタイル
ライフハック
飲食
映画
音楽
環境
経済
健康
政治
美容
有名人
旅行
このブログを検索
12月 2025
46
11月 2025
91
10月 2025
93
9月 2025
90
8月 2025
88
7月 2025
92
6月 2025
82
5月 2025
50
4月 2025
17
Powered by Blogger
不正行為を報告
Contact form
0 コメント