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懐かしさと新しさの狭間で、私たちはキュロットを再び愛する
懐かしさと新しさの狭間で、私たちはキュロットを再び愛する
6月 18, 2025
まずは、この物語の主人公について、少しだけ客観的な情報を並べておこう。 * **名前**:キュロット(Culottes) * **姿かたち**:一見するとスカートのよう。でも実は、ひざ下からふくらはぎにかけて、ゆったりと広がるパンツ。 * **かつての姿**:1960年代から70年代にかけて一世を風靡。その後、自転車に乗る女性やアスリートのためにも活躍した、意外とアクティブな経歴を持つ。 * **近況**:2025年春夏、長らくの沈黙を破り、欧米のファッションシーンに彗星のごとくカムバック。ヘイリー・ビーバーやモニカ・バルバロといった時代の寵児たちがこぞって着用し、『Vogue』や『Who What Wear』などのメディアが特集を組むほど、熱い視線を浴びている。 --- 正直に告白しよう。キュロット、と聞いて、私の脳裏に最初に浮かんだのは、母の古いアルバムに収められた、少し色褪せた一枚の写真だった。ポーズを決める若き日の母が履いていた、あの、なんとも言えない丈のパンツ。子供心に「これってスカートなの?ズボンなの?」と首を傾げた、あの不思議な衣服だ。ごめん、正直に言うと、ちょっと(いや、かなり)昔のもの、というレッテルを貼って、心のクローゼットの奥の奥にしまい込んでいた。 だから、2025年の今、巷で「キュロットが来てる!」と囁かれているのを聞いたとき、思わず二度見ならぬ、二度聞きしてしまった。「え、あのキュロットが?」と。 まるで、一度は解散した伝説のロックバンドが、メンバーそれぞれがソロで大成功を収めた後、予想もしなかったタイミングで「再結成します」と宣言したような、そんな衝撃だった。かつてのヒット曲をそのままやるんじゃない。今の時代の音を、円熟した技術と表現力で、まったく新しいアンサンブルとして聴かせてくれる、あの感じ。そう、今のキュロットは、ただのノスタルジーじゃない。過去の物語をリスペクトしつつ、まったく新しい顔つきで私たちの前に現れたのだ。 きっかけは、いつだって海の向こうからやってくる。ニューヨークの街角を、モニカ・バルバロが真っ白なリネンのキュロットで颯爽と歩く。ジャケットとチューブトップを合わせたスリーピース。その潔いまでの白さが、初夏の強い日差しを弾き返し、彼女の周りだけ涼やかな風が吹いているように見えた。肌にまとわりつかないリネンの質感が、画面越しにまで伝わってくるようだ。カツ、カツ、と鳴るヒールの音。アスファルトの熱気。そのすべてを、キュロットがふわりと受け流していく。 ヘイリー・ビーバーは、もっとストリートに、もっとクールに。タックの入った黒いキュロットを少し腰で落として履き、クロップドTシャツを合わせる。キャップとヒールサンダルという、相反する要素のミックスがたまらない。彼女たちが身にまとった瞬間、キュロットは「お母さんの服」から「誰もが渇望する最先端のモード」へと、その階級を軽々と飛び越えてしまった。(まったく、セレブの影響力ってやつは、恐ろしいほどに絶大だ!) なぜ今、私たちはこんなにもキュロットに心惹かれるのだろう。 一つには、「脱ジーンズ」という、時代の大きな空気があるのかもしれない。パンデミックを経て、私たちは着心地の良さと、程よい「きちんと感」のバランスを求めるようになった。デニムの、あの少し窮屈でゴワゴワした感触から、自分を解放してあげたい。もっと軽やかに、風を感じて歩きたい。そんな無意識の欲求が、私たちの中にあるんじゃないだろうか。ワイドで、涼しくて、動きやすいキュロットは、そんな気分にぴったりと寄り添ってくれる。 ねえ、少し想像してみてください。 梅雨の晴れ間、じっとりとした湿気を含んだ空気の中を歩くとき。風が吹くたびに、あなたの足元でキュロットの裾が、まるで呼吸するようにふわりと揺れる。肌と布の間に生まれる、ほんのわずかな空間。その空間を、風が通り抜けていく感触。それは、夏の夕暮れ時に縁側で涼むような、ささやかで、けれど何物にも代えがたい心地よさだ。 SNS世代にとっては、その「映える」Aラインシルエットも魅力だろう。トップスをインすれば、きゅっと締まったウエストから裾にかけて広がるラインが、どんな写真でもドラマチックな構図を作り出してくれる。昔は「難しい」と思われたアイテムが、今や「ひとひねりあってお洒落」に見えるのだから、時代は面白い。 ブランドたちの多様なアプローチも、この再燃に拍車をかけている。 ユニクロはスポーティなナイロン素材で、シャカシャカという軽快な音を立てるカジュアルなキュロットを。COSは得意のタックやプリーツを駆使して、まるで彫刻のような構築的な美しさを持つ一枚を。ZARAはトレンド感を絶妙な価格で。そしてLOEWEやChloéといったハイブランドは、息をのむほど上質な素材で、もはや芸術品の域に達するキュロットを仕立て上げる。 「でも、私には似合わないかも…」 そんな声が、あなたの心の中から聞こえてくるのも知っている。特に、丈。この中途半端に見える丈が、私たちの心を惑わせる。 心配はいらない。これは冒険なのだ。 背が低いからと諦めるのは早い。膝が見えるくらいの少し短め丈を選んで、足元にヒールを合わせれば、驚くほどスタイルアップして見える。逆に長めのふくらはぎ丈は、フラットサンダルやスニーカーと合わせることで、こなれた大人の余裕を演出できる。重要なのは、全身のバランス。トップスを短めにするか、潔くインする。それだけで、魔法のようにシルエットが整う。 まずは、黒や白、ベージュといったベーシックな色から手に取ってみるのがいいだろう。慣れてきたら、夏の日差しに映えるストライプやギンガムチェック、あるいはデニム素材で遊んでみる。秋が近づけば、こっくりとした色のウールや、少しハードなレザーのキュロットにロングブーツを合わせるのも、きっと素敵なはずだ。レザーのひんやりとした感触と、独特の匂い。季節の移ろいを、ファッションで感じ取る喜び。 かつて流行ったものが、時を経て再び私たちの前に現れる。それは単なるサイクルの問題ではない。 忘れていた記憶。新しい発見。そして、それを今の自分ならどう着こなせるだろう、と考える、創造的な時間。キュロットの復活は、私たちにそんなお洒落の原点を思い出させてくれる、最高のきっかけなのかもしれない。 さあ、今年は何を着て、どこへ行こうか。 ジーンズを脱ぎ捨てて、新しい風をまとってみないか。 スカートの優雅さと、パンツの自由さを兼ね備えた、この不思議で魅力的な衣服と共に。2025年の夏は、きっと忘れられない季節になる。 --- ## 📎 参考リンク * Vogue「Culottes Are Back! 5 Modern Ways to Wear the Nostalgic Trend」(2025年6月17日) [https://www.vogue.com/article/how-to-wear-culottes](https://www.vogue.com/article/how-to-wear-culottes) * Who What Wear「Spotted in New York: The Dated Pants Trend Everyone's Wearing Instead of Jeans」(2025年5月21日) [https://www.whowhatwear.com/fashion/summer/culotte-pants-trend-2025](https://www.whowhatwear.com/fashion/summer/culotte-pants-trend-2025) * Glamour「Monica Barbaro Wearing Culottes Will Change Your Mind About the Divisive Pants Trend」(2025年6月10日) [https://www.glamour.com/story/monica-barbaro-wearing-culottes-will-change-your-mind-about-the-divisive-pants-trend](https://www.glamour.com/story/monica-barbaro-wearing-culottes-will-change-your-mind-about-the-divisive-pants-trend) * InStyle「Halle Berry Wore the Edgiest Version of Summer 2025’s ‘It’ Pants」(2025年5月15日) [https://www.instyle.com/look-of-the-day-2025-05-15-11733110](https://www.instyle.com/look-of-the-day-2025-05-15-11733110) --- [1]: https://www.glamour.com/story/monica-barbaro-wearing-culottes-will-change-your-mind-about-the-divisive-pants-trend?utm_source=chatgpt.com "Monica Barbaro Wearing Culottes Will Change Your Mind About the Divisive Pants Trend" [2]: https://www.vogue.com/article/how-to-wear-culottes?utm_source=chatgpt.com "Culottes Are Back! 5 Modern Ways to Wear the Nostalgic Trend" [3]: https://www.whowhatwear.com/fashion/summer/culotte-pants-trend-2025?utm_source=chatgpt.com "Spotted in New York: The Dated Pants Trend Everyone's Wearing Instead of Jeans" [4]: https://www.journee-mondiale.com/en/i-styled-these-5-spring-culottes-at-60-the-compliments-havent-stopped/?utm_source=chatgpt.com "I styled these 5 spring culottes at 60 (the compliments haven't stopped)"
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