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メゾンと業界が描く「次の10年」——ヴェネツィアで再び動き出すサステナブルファッションの潮流
メゾンと業界が描く「次の10年」——ヴェネツィアで再び動き出すサステナブルファッションの潮流
10月 27, 2025
ヴェネツィアの水面が黄金色に輝いた10月中旬、ファッション界のキープレイヤーたちが集結した。 目的はひとつ——**「循環型ファッションの再設計」**だ。 このイベント「Venice Sustainable Fashion Forum 2025」は、WWDやThe European House – Ambrosettiが主導する年次国際会議であり、ヨーロッパを中心に広がるサステナブルムーブメントの最前線を示す舞台となった。 ### 「循環」をキーワードに、ファッションが再定義される瞬間 これまで“サステナブル”という言葉は、どこか抽象的に響くものだった。 だが、ヴェネツィアでは違う。ここで語られたのは「リサイクル素材」や「エシカル消費」だけではなく、**生産・販売・回収・再利用のすべてを一つの循環にするための構造改革**だった。 たとえば、イタリアの高級ブランド各社は、自社製品の再資源化率やサプライチェーン透明性を可視化するツールを発表。欧州委員会の“Circular Economy Action Plan”との連携を強化し、**2030年までに「衣類のリサイクルを義務化する法的フレーム」**に対応する準備を進めているという。 ### ヴェネツィアが選ばれた理由——「文化」と「持続性」の融合点 このフォーラムの開催地がヴェネツィアであることにも、深い意味がある。 水と共に生きる街、そして芸術と工芸の都——まさに**持続可能性と美学の象徴**だ。 ヨーロッパの歴史あるメゾンが、この街で新しい価値観を再宣言することは、伝統と革新を両立させる意思表示でもある。 「サステナビリティはコストではなく、文化だ。」 会場でそう語ったのは、Ambrosettiのエコノミスト、ヴァレンティーナ・ロッシ氏。 彼女は、“Sustainability Journey 2025”と題した報告書で、EUの環境政策がファッション産業にもたらす具体的影響を分析。**「生地のリサイクル率」「輸送時の排出削減」「在庫削減AI」**といった新しいKPI(指標)が提案された。 ### EU政策の波が生む「データ駆動型ファッション」 特に注目を集めたのが、欧州委員会による**「Digital Product Passport(DPP)」**構想だ。 この仕組みでは、衣服ひとつひとつにQRコードが付与され、素材の由来・製造地・リサイクル可否などのデータが追跡できる。 これにより消費者は、「買う前からサステナブルかどうか」を判断できるようになる。 H&MやInditex、Keringなどのグループも、2025年度からDPP対応の試験運用を開始予定。 ヴェネツィアの会場では、複数のメゾンがデジタルタグを活用した循環管理プロトタイプを披露し、来場者の間では「**ファッションとデータが融合する時代**」という言葉が何度も飛び交った。 ### 若者が共感する「サステナブルのストーリー性」 日本のSNSユーザーの間でも、「ストーリーのあるファッション」への共感が高まっている。 大量生産ではなく、「誰が、どこで、どんな思いで作ったのか」が見える服。 そうした価値観はZ世代の購買基準にも直結しており、欧州の動きは確実に日本の市場にも波及しつつある。 たとえば、今年パリで発表されたステラ・マッカートニーのコレクションでは、再生レザーを使用したバッグがTikTokでバズり、#ConsciousLuxury のハッシュタグが拡散された。 このトレンドは、単なる環境意識ではなく、**「自分のスタイルを社会貢献で表現する」**新しい自己表現の形として受け入れられている。 ### ラグジュアリーが「量」から「循環」へ——ブランドの生存戦略 フォーラムでは、ラグジュアリーブランドが直面する“生産の限界”も議題となった。 これまで“より多く作ること”が成功の指標だったが、今後10年は**「いかに循環させるか」**が問われる。 ルイ・ヴィトンやグッチ、プラダなどが進める“Repair Service”や“Take Back Program”は、ブランド価値を維持しながらサステナブルな循環を生み出す好例だ。 欧州では、すでにファッション廃棄物に関する課税制度も導入が進行中。 「つくる責任」「売る責任」「再生する責任」という三層構造が、業界全体の標準になりつつある。 ### ファッションの未来は“ヴェネツィア発”のラボから始まる Venice Sustainable Fashion Forumは、単なる年次イベントでは終わらない。 ここで議論された成果は、EU各国の政策・企業戦略・教育機関のカリキュラムへと落とし込まれる。 ファッションが「消費」から「共創」へと変わる過程で、ヴェネツィアは象徴的な起点となるだろう。 WWDのレポートでは、フォーラムを締めくくる言葉として次の一節が引用されている。 > “Circularity is no longer an option — it’s our collective roadmap.” > (循環型はもはや選択肢ではない。それは、私たちが共に進む道標だ。) サステナブルを“トレンド”ではなく“文化”として根付かせる試み—— それは、ファッションの次の10年を形づくる最前線でもある。 --- ### 参考リンク * [WWD: Fashion’s Sustainability Journey 2025 — Venice Forum](https://wwd.com/sustainability/business/fashion-sustainability-journey-2025-venice-forum-1238324527/) * [WWD: Venice Sustainable Fashion Forum 2025 – Topics & Insights](https://wwd.com/sustainability/environment/venice-sustainable-fashion-forum-2025-dates-location-topics-1238287538/) * [Venice Sustainable Fashion Forum 公式サイト](https://venicesustainablefashionforum.it/) ---
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