映画館は“観る場所”から“過ごす場所”へ──VIP席・ベッド席・バー併設が生む新しいエンタメ体験

<div class="separator" style="clear: both;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEij5GhxPyEuxPXtqLtZcjnNjTo5Sb49NFJn-9yV_fFYRnbhdGqzeR3PRBKgxdzN2qyrGhoc5Lw7VIFmG5bEn4Jzl2V5tNAJeontI2VBXP4AROBVKCSN0ensYzw_hzKx4YC3bs13yTTI7P271cy4b1QFjGTjcf98AnBNt_2VIupN9qx9MjJVCzd_tfhNgv8/s1536/ChatGPT%20Image%20Dec%2028,%202025,%2012_05_44%20PM.png" style="display: block; padding: 1em 0; text-align: center; "><img alt="" border="0" width="600" data-original-height="1024" data-original-width="1536" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEij5GhxPyEuxPXtqLtZcjnNjTo5Sb49NFJn-9yV_fFYRnbhdGqzeR3PRBKgxdzN2qyrGhoc5Lw7VIFmG5bEn4Jzl2V5tNAJeontI2VBXP4AROBVKCSN0ensYzw_hzKx4YC3bs13yTTI7P271cy4b1QFjGTjcf98AnBNt_2VIupN9qx9MjJVCzd_tfhNgv8/s600/ChatGPT%20Image%20Dec%2028,%202025,%2012_05_44%20PM.png"/></a></div> 映画館が、いま大きく姿を変えています。ポップコーンと暗い座席、という定番のイメージは過去のもの。英国を中心に広がっているのは、**VIP席、ベッド席、バー併設**といった「体験価値」に全振りした新しい映画館のかたちです。単に映画を“観る場所”ではなく、時間とお金を使ってでも行きたい“娯楽空間”へ。そんな変化が、いま現実のものになっています。 ## なぜ映画館は「高級化」に舵を切ったのか 背景にあるのは、ストリーミングサービスの完全な定着です。NetflixやDisney+、Amazon Prime Videoなどが日常に溶け込み、「映画は家で観るもの」という感覚が当たり前になりました。その結果、従来型の映画館は「わざわざ行く理由」を失いつつありました。 そこで英国の映画館チェーンが選んだのが、価格競争ではなく**体験の差別化**です。ガーディアンが報じたように、リクライニングを超えた“ベッド席”、カクテルを楽しめるバー、専属スタッフによるサービスなど、もはや映画館というよりも「ラグジュアリーな夜の過ごし方」を提供する場所へと進化しています。 ## ベッド席・VIP席はどんな体験なのか 新世代の映画館では、座席そのものが主役です。足を伸ばして横になれるベッド席、厚みのあるクッションと広いパーソナルスペースを備えたVIP席。隣の人との距離を気にせず、まるでホテルラウンジのような感覚で映画を楽しめます。 飲食も進化しています。紙カップのソフトドリンクではなく、グラスに注がれたワインやカクテル。バーが併設され、上映前後に一杯飲むこともできる。映画は“コンテンツの一部”であり、体験全体を完成させるピースになっています。 ## 「高いけど、安い」新しい価値観 チケット価格は確かに高めです。通常の映画館より数千円高いケースも珍しくありません。それでも利用者が増えている理由は、「映画＋α」の価値が明確だからです。 外食、バー、娯楽を別々に楽しむより、一本化したほうが満足度が高い。そんな合理的な判断が、特に20〜40代の層に支持されています。短い可処分時間を、できるだけ濃く使いたい。そう考える人にとって、プレミアム映画館はむしろコスパがいい存在になっています。 ## 映画館は「場所ビジネス」に回帰した この流れは、映画館が本来持っていた「場の力」を取り戻す動きとも言えます。かつて映画館は、デートや友人との特別な時間を過ごす場所でした。しかし低価格化と大量上映の時代を経て、その個性を失っていました。 いま再び注目されているのは、「そこで過ごす時間そのもの」。作品の良し悪しだけでなく、空間、音、匂い、サービスまで含めた総合体験です。これはライブやフェス、テーマパークに近い発想でもあります。 ## 日本の映画館はどうなるのか 日本でもプレミアムシアターやラグジュアリー席はすでに存在しますが、英国ほど大胆な“体験特化型”はまだ少数派です。ただ、若い世代を中心に「安さより満足度」を重視する傾向は確実に広がっています。 映画館が生き残る鍵は、上映作品の数ではなく、**その場所でしか得られない体験**をどれだけ設計できるか。英国の事例は、日本の映画館ビジネスにとっても重要なヒントになりそうです。 ## まとめ VIP席、ベッド席、バー併設。英国の映画館は、ストリーミング時代においても「行く意味」を明確に打ち出すことで、新しい需要を掘り起こしています。映画館はもはや“スクリーンのある箱”ではありません。時間を過ごすためのプレミアムな空間へ。その進化は、これから世界中に波及していく可能性があります。 ### 参考リンク [https://www.theguardian.com/business/2025/dec/26/vip-viewing-cinemas-bet-on-luxury-bars-and-beds-to-usher-in-a-new-film-era](https://www.theguardian.com/business/2025/dec/26/vip-viewing-cinemas-bet-on-luxury-bars-and-beds-to-usher-in-a-new-film-era) [https://www.timeout.com/london/cinema/luxury-cinemas-in-london](https://www.timeout.com/london/cinema/luxury-cinemas-in-london) [https://www.curzon.com](https://www.curzon.com) [https://www.picturehouses.com](https://www.picturehouses.com)