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ふくらはぎが見える夏、あの「半端丈」が囁きかけるもの
ふくらはぎが見える夏、あの「半端丈」が囁きかけるもの
6月 28, 2025
まずは、この夏の主役候補について、客観的な情報から。 * **主役の名前:** キャプリパンツ(Capri Pants)。特に今年はスキニーなシルエットが注目株。 * **その正体:** 膝の下から、ふくらはぎの真ん中あたりで、ぷつりと断ち切られたような丈のパンツ。サブリナパンツなんて呼び名も、どこかで聞いたことがあるかもしれない。 * **生まれ故郷と黄金期:** 1950年代、太陽が眩しいイタリアのカプリ島。銀幕の妖精、オードリー・ヘプバーンや、小悪魔的な魅力のブリジット・バルドーが愛したことで、エレガンスの象徴となった。 * **2025年、夏の陣:** * ケンダル・ジェンナーがパリの街角で、潔い黒のキャプリを披露。 * ヘイリー・ビーバーは、愛らしい黒ドット柄をミニマルに着こなす。 * アン・ハサウェイ、デュア・リパといった、世代も個性も異なるスターたちがこぞって足を通し、再燃ムードは最高潮に。 * **なぜ今、再び?:** * ファッション界を席巻する「Y2K(2000年代)」リバイバルの波に乗って。 * 日本のうだるような夏に、風が通り抜ける快適さを求める声に応えて。 --- 正直に告白しよう。このトレンドの復活を耳にした時、私の心に最初に浮かんだのは、歓喜よりもむしろ、ある種の戸惑いだった。「え、また君に会うのか」と。そう、キャプリパンツ。クローゼットの奥の、記憶という名の引き出しにしまい込んでいた、あの少し気恥ずかしいシルエット。 私がまだ何者でもなかった頃、たしかにそれは流行っていた。母親に連れられて入ったファストファッションの店で、「これが今っぽいのよ」なんて言われて、半信半疑で試着室に持ち込んだ日のことを、妙に鮮明に覚えている。鏡の前でくるりと回ってみる。ふくらはぎの一番たくましい部分で終わる丈が、なんだか自分の脚を大根みたいに見せている気がして、落ち着かなかった。(これ、本当に正解なの…?と、当時の私は本気で悩んだものだ) あれから十数年。ケンダル・ジェンナーが履けば、アン・ハサウェイが纏えば、あの頃の「ダサいかも」という不安は、いとも簡単に霧散してしまうから不思議だ。彼女たちの着こなしは、まるで魔法。あの半端な丈が、突如として洗練された「抜け感」という名の称号を得て、ランウェイを闊歩している。まったく、ファッションというのは残酷なほどに、文脈がすべてなのだと思い知らされる。 ねえ、ここで少しだけ、目を閉じて想像してほしいんです。 乾いたアスファルトの上を、ぺたぺたと音を立てて歩くレザーサンダル。じりじりと肌を焼く太陽。そんな時、ふと、乾いた風が素肌のふくらはぎを撫でていく、あの涼やかな感触。デニムのフルレングスでは決して味わえない、ささやかな解放感。そう、キャプリパンツがもたらすのは、夏の気配そのものなのかもしれない。暑苦しい日常からの、ほんの数十センチの逃避行。 考えてみれば、このパンツは「余白の美学」なのかもしれない。 すべてを覆い隠すのでもなく、すべてをさらけ出すのでもない。足首という、女性の身体の中でも特に繊細なパーツをちらりと見せ、その先に続く素足や靴との関係性を、見る者に想像させる。それはまるで、多くを語りすぎない短編小説のようだ。行間にこそ、物語が隠されている。重厚なブーツやハイカットスニーカーを合わせるのが野暮ったく見えるのは、その「余白」を殺してしまうからだろう。このパンツを履く日は、主役はあくまでも、ちらりと見える素肌と、そこに添える華奢なシューズなのだ。 Y2Kリバイバルだとか、セレブが履いているからだとか、そんな理由は、本当はどうでもいいのかもしれない。私たちがこの夏、無意識にこの「半端丈」に惹かれるのは、完璧すぎるものへのちょっとした疲れがあるからじゃないだろうか。隙なく作り込まれたコーディネートよりも、どこか気の抜けた、人間味のあるスタイル。暑さで少しだらけた心に、このパンツの「まあ、いっか」という軽やかさが、心地よく響く。 もちろん、落とし穴もある。(これ、声を大にして言いたい) 一歩間違えれば、それは「あの頃」に逆戻りだ。近所のスーパーへ急ぐ、生活感に満ちたスタイル紙一重。だからこそ、ちょっとした緊張感が必要になる。トップスは、Tシャツ一枚だとしても、少しだけ身体のラインを拾うタイトなものを選ぶとか。足元には、たとえヒールがなくとも、どこか艶のあるキトンヒールや、質の良いレザーサンダルを持ってくるとか。小ぶりで上質なバッグを一つ、無造作に持つとか。その「ちょっとした緊張感」が、懐かしさを「今」の空気感へと昇華させるための、大切なスパイスになる。 ヘイリー・ビーバーが選んだ白地に黒のドット柄なんて、最高にチャーミングだ。まるで、モノクロ映画から飛び出してきたみたいで。初心者は黒やデニムの無地から、というのは定石だけど、どうせなら、こんな風に遊び心を持って取り入れてみたい。夏の日差しに、水玉模様が踊る。それだけで、なんだか一日が楽しくなりそうだ。 流行は巡る。来年の夏、私たちはこれを履いているだろうか?正直、わからない。でも、それでいい。ファッションは、永遠を誓うものじゃない。その一瞬の「着たい」という心のときめきを、素直に楽しむためのものだから。 もし、あなたのクローゼットの片隅に、忘れ去られたキャプリパンツが眠っているのなら。あるいは、お店で見かけて、少しだけ心が動いたのなら。今年の夏、もう一度だけ、光を当ててみてはどうだろう。それは、単なるトレンドへの挑戦ではない。過去の自分と今の自分が、鏡の前で対話するような、小さな冒険になるかもしれない。 ふくらはぎを撫でる風が、きっと「おかえり」と囁いてくれるはずだから。 ## リンク * [Kendall Jenner Wore the French Girl Version of the Capri Pant Trend(Glamour)](https://www.glamour.com/story/kendall-jenner-wore-the-french-girl-version-of-the-capri-pant-trend) * [Hailey Bieber Effortlessly Styled Three of Summer's Biggest Trends in One Outfit(Glamour)](https://www.glamour.com/story/hailey-bieber-effortlessly-styled-three-summers-biggest-trends-one-outfit) * [Capri pants, a once‑controversial trend, are making a strong comeback(InStyle)](https://www.instyle.com/celebrities-wearing-capri-pants-summer-2025-trend-11741122)
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