米国「関税の壁」は、なぜ800ドルで崩れ去ったのか？

<div class="separator" style="clear: both;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjIdK2TN6OFjIDiECgRYwkNOlE7RoM7sk6ItJlt2hd1S0hsRS8M7k5H1pL86f4Faf5Tdj25uUOnDfnIALjPBDHIJt22GkmwSAfQPXSX2oCSituVTXaF3GSGWLHyFwnve9x-s98_rBncvaKtorRF59DpMMz1vrxXY1kmkXv_-uSeVGZ073bvqx5FaU3fWys/s1024/ChatGPT%20Image%20Aug%2031,%202025,%2004_47_38%20AM.png" style="display: block; padding: 1em 0; text-align: center; "><img alt="" border="0" width="600" data-original-height="1024" data-original-width="1024" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjIdK2TN6OFjIDiECgRYwkNOlE7RoM7sk6ItJlt2hd1S0hsRS8M7k5H1pL86f4Faf5Tdj25uUOnDfnIALjPBDHIJt22GkmwSAfQPXSX2oCSituVTXaF3GSGWLHyFwnve9x-s98_rBncvaKtorRF59DpMMz1vrxXY1kmkXv_-uSeVGZ073bvqx5FaU3fWys/s600/ChatGPT%20Image%20Aug%2031,%202025,%2004_47_38%20AM.png"/></a></div> - **公開日:** 2025年8月31日 - **対象:** Etsy, Shopifyなど海外個人輸入・輸出ユーザー - **キーワード:** ディ・ミニミス（de minimis）、関税、米国、個人輸入、800ドル - **変更点:** 米国における800ドル以下の輸入品に対する関税免除制度（ディ・ミニミス）が廃止 - **施行日:** 2025年8月29日 - **影響:** 日本から米国への個人発送者、転送サービス、Etsy・Shopifyユーザーの価格設定・配送方法に大きな変更が必要となる。 --- この胸騒ぎ、なんだろう？ SNSのタイムラインを眺めていたら、突然飛び込んできたニュースに目が釘付けになった。アメリカが、とうとう**「ディ・ミニミス」**の免税ルールを全面廃止したという。 いや、待てよ。ディ・ミニミスって何？ そんな専門用語、頭に入ってくるわけがない。でも、そこに続く文字を見て、心臓がドクリと鳴った。「800ドル以下の個人輸入も対象に」。 これはただのニュースじゃない。海を越えて小さな商品を売ったり、あるいは欲しかった一点ものを個人輸入したりする、僕たちのような人間に、直接、重くのしかかってくる「現実」だ。まるで、自由の女神の手に掲げられたトーチが、突如として関税という名の重い鉄槌に変わってしまったような、そんな衝撃だった。 ### 自由だった時代は、音もなく去っていった かつて、僕たちは800ドル以下の商品なら、関税なんて気にせず、気軽にポチることができた。これは、1938年から続く歴史ある制度で、2015年にはその上限が200ドルから一気に800ドルに引き上げられたんだ。 まるで、個人輸入という名の砂漠に、突如としてオアシスが現れたかのようだった。そのおかげで、Etsyでしか手に入らない一点ものの手作り品や、Temu、SheinといったECサイトで、誰もが気軽に海外から買い物できるようになった。この便利なルールは、個人と個人、国と国をつなぐ、ささやかな架け橋だったはずだ。でも、その橋は今、無情にも落とされてしまった。 なぜ、こんなことになったのか？ 理由は、まるで複雑なパズルのようだが、紐解いていけば見えてくる。密輸や麻薬の流入を防ぎたいという政府の意向。中国への免税が先に廃止されていた流れ。そして、トランプ政権の「不当な価格競争」をなくしたいという思惑。いくつもの思惑が交錯し、ついにこの「関税の壁」が築かれた。 まるで、遠い海を隔てた向こう側で、巨人の一歩が静かに踏み出された結果、この国の足元が揺れている、そんな感覚だ。 ### 「関税ゼロ」という甘い夢から覚める時 この変化が、僕たちの日常にどう響くか。正直、想像以上に痛い。 今までは、「800ドル以下なら関税なし」という甘い前提で、価格設定も送料計算もしていた。でも、これからは違う。たとえ小さなピンバッジ一つでも、関税がかかる。しかも、最初の6ヶ月は一律で**80ドルから200ドル**という定額料金が適用されるという話もある。これはもはや「追加料金」なんてレベルじゃない。送料以外のところで、とんでもないコストが乗っかってくる。 想像してみてほしい。せっかくEtsyで欲しかったヴィンテージのマグカップを見つけて、ルンルン気分で注文したとする。でも、いざ届いてみたら、思わぬ高額な関税を請求され、驚きのあまり手が震えてしまう。そんなトラブルが、これから山のように増えるだろう。そうなれば、せっかく売れた商品も、返品やキャンセルにつながる可能性だってある。 日本の小さなクリエイターやショップにとって、これはただのルール変更ではない。ビジネスの根幹を揺るがす大事件だ。 ### 生き残るための「覚悟」 さて、嘆いてばかりはいられない。私たちは、この新しい時代を生き抜く術を身につけなければならない。 まず、一番にやるべきは「正直になること」。これからは、商品ページに堂々と「関税は別途かかります」と明記するべきだ。関税シミュレーターへのリンクを貼ってあげれば、顧客も安心して購入できるだろう。 そして、価格戦略を見直すこと。送料に関税分まで含めた価格設定（DAP/DTP条項）を真剣に検討しなければならない。これは、価格が上がって売れなくなるリスクもあるけれど、顧客との信頼関係を守るためには不可欠な一歩だ。 今まで、「関税は大丈夫」と安易に考えていた、あのぬるま湯のような時代は、もう二度と戻ってこない。 これからの個人輸入・輸出の世界は、まるで透明な迷路のようだ。どこに壁があるか、どこに落とし穴があるか、見えづらい。でも、この迷路を攻略する鍵は、もう僕たちの手の中にある。それは、**「関税を見せる」**という覚悟だ。透明性こそが、これからのビジネスを生き抜くための最強の武器になる。 あなたにとって、この大きな波は、ビジネスの潮目が変わるチャンスかもしれない。この激変の時代を、どう乗り越えていくか。さあ、一緒に考えてみませんか？ --- ### 参考リンク * 「How will the end of the de minimis exemption impact US shoppers and businesses?」（Reuters） [https://www.reuters.com/business/retail-consumer/how-end-de-minimis-exemption-will-impact-us-shoppers-businesses-2025-08-29/](https://www.reuters.com/business/retail-consumer/how-end-de-minimis-exemption-will-impact-us-shoppers-businesses-2025-08-29/) * 「US tariff exemption for low-value packages ends with few hiccups but higher costs loom」（Reuters） [https://www.reuters.com/world/china/us-tariff-exemption-low-value-packages-ends-with-few-hiccups-higher-costs-loom-2025-08-29/](https://www.reuters.com/world/china/us-tariff-exemption-low-value-packages-ends-with-few-hiccups-higher-costs-loom-2025-08-29/) * 「Duty-free no more: Parcels worth under \$800 no longer qualify for a US tariff exemption」（AP News） [https://apnews.com/article/48862fc5b6a563a077284e364fb14f08](https://apnews.com/article/48862fc5b6a563a077284e364fb14f08) * 「The Duty-Free Loophole Is Closing. What That Means for You—and Your Packages」（WIRED） [https://www.wired.com/story/de-minimis-exemption-ending-what-that-means-for-you](https://www.wired.com/story/de-minimis-exemption-ending-what-that-means-for-you)