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ブレンダン・フレイザー、映画産業の“商品化”を痛烈批判──『バットガール』中止が示したハリウッドのゆがみとは
ブレンダン・フレイザー、映画産業の“商品化”を痛烈批判──『バットガール』中止が示したハリウッドのゆがみとは
11月 24, 2025
アカデミー賞俳優ブレンダン・フレイザーが、再びハリウッドに鋭い問いを投げかけている。 話題の中心となっているのは、ワーナー・ブラザースが製作しながら最終的に“お蔵入り”させたDC映画 **『バットガール(Batgirl)』**。この中止騒動は2022年に大きな衝撃を与えたが、2025年の今、フレイザーがあらためて「映画が“商品(commodities)”として扱われている」と語ったことで、再び世間の注目が集まっている。 本記事ではフレイザーの発言背景、ハリウッドのIP依存構造、そしてクリエイターに広がる危機感をわかりやすく解説していく。 --- ## 1. 『バットガール』はなぜ中止されたのか──ハリウッドでも異例の“完成作お蔵入り” まず今回の議論の大元となる『バットガール』の中止事件を整理しておこう。 * 主演:レズリー・グレイス * 共演:ブレンダン・フレイザー(ヴィラン役) * 製作費:約9,000万ドル * 撮影:すでに完了 * ポストプロダクション:大半を終えていた段階で中止 本作はDCユニバースの中規模タイトルとして配信公開される予定だった。しかし経営側の判断で“損益調整のための税務戦略”としてキャンセルされ、完全に公開不可となった。 映画が「売れなさそうだから劇場公開しない」を超え、 **“完成しているのに公開しないほうが企業にとって利益”** という前代未聞の判断が下されたのだ。 この出来事は世界中の映画ファンやクリエイターに大きな衝撃を与え、「ハリウッドは終わった」という悲観的な声すら広がった。 --- ## 2. ブレンダン・フレイザーの批判──「映画が商品になった瞬間を見た」 フレイザーは Variety や複数メディアの取材に対し、次のように語っている。(※意訳) * 「映画が“コンテンツ”として商品化され、数字で判断されるようになった」 * 「クリエイターが何年も取り組んだ作品を、企業側が“焼却処分”するように扱った」 * 「映画づくりの本質が損なわれている」 特に象徴的なのが、 **「映画が価値を生むどころか、廃棄したほうが利益になるという状態になってしまった」** という指摘だ。 これはハリウッドの“IP偏重体質”への批判と重なっている。 --- ## 3. ハリウッドのIP偏重とは?──マーベル、DC、スターウォーズ…巨大シリーズの影で起きていること フレイザーの批判は、単なる『バットガール』騒動への怒りに留まらない。 彼が言及しているのは、ハリウッド全体に広がっている **「IP至上主義」** だ。 ### ● 最近のハリウッドで起きていること * 既存フランチャイズに予算が集中 * 新作オリジナル企画が通りづらくなる * スタジオがリスク回避型にシフト * 興行収入より会計処理が優先されるケースが増加 * “映画は文化”より“映画は投資商品”というマインドが強まる 映画館やSNSで高まる「スーパーヒーロー疲れ」も、この構造の歪みと無関係ではない。 『バットガール』はその象徴のような存在になってしまった。 --- ## 4. なぜ彼の発言がここまで注目されるのか? SNS上で話題が広がっている理由には、フレイザー本人の背景も大きい。 ### ● アカデミー賞俳優であり、復活劇の象徴 映画『ザ・ホエール』でアカデミー主演男優賞を獲得し、“ブレンダサンス(Brendan Renaissance)”として復活が称えられた。 ### ● ハリウッドの闇を経験している人物 長い低迷期の背景には、業界内のトラウマ的経験があったと本人も語っており、“体制側への批判”には説得力がある。 ### ● ヒーロー映画の当事者としての発言 フレイザーは本来『バットガール』で“炎のヴィラン”を演じる立場にあった。その当事者が「これは間違っている」と声を上げたことに意味がある。 --- ## 5. SNS世代が「刺さる」と感じる理由──作品より“クリエイターの正義”が注目される時代 10〜40代のSNSユーザーがフレイザーの発言に共感する理由は、映画そのもの以上に“構造への問題提起”にある。 ### ● ①「努力した人が報われない構造」への怒り 完成後にお蔵入りは、出演者だけでなく何百人ものスタッフの努力を無にする行為。 ### ● ② クリエイターの声が可視化される時代 TikTokやXでは制作陣のコメントがダイレクトに届くため、スタジオ側の判断がより透明に見える。 ### ● ③ 作品は「文化的共有物」という価値観 Z世代はコンテンツより“コミュニティ体験”を重視する傾向が強いため、企業の会計戦略で作品が失われることに強い反発を抱く。 --- ## 6. “IPの時代の終わりの始まり”なのか?──ハリウッドの地殻変動 フレイザーの発言は、単なる炎上ネタではない。 映画評論家や業界関係者の間では次のような議論が起き始めている。 ### ● ● ① スタジオは「IP依存」から脱却し始めている 近年はマーベル作品の興行も波があり、スタジオ側も新基軸を模索している。 ### ● ● ② クリエイター側の反発が社会現象化 監督・脚本家の組合がストライキを実行してきたように、“コンテンツの扱い方”はすでに政治的テーマとなっている。 ### ● ● ③ 視聴者も“安全パッケージ映画”に飽き始めている 同じヒーローフォーマットが繰り返されることへの疲労感は、特に若い層で強くなっている。 今回のフレイザーの発言は、こうした変化の中心にあるといえる。 --- ## 7. 『バットガール』は“失われた映画”の象徴として語り継がれる もし『バットガール』が公開されていれば、フレイザーのヴィラン役は新境地となり、主演のレズリー・グレイスにとっても転機となっていたかもしれない。 しかし作品自体は永遠に封印される。 だからこそ、現在語られているのは **「映画そのもの」より「映画が失われたという事実」** だ。 SNS世代はここに強い関心を寄せており、 「作品の善し悪しではなく、文化が失われること」 ──これが現代のクリエイティブコミュニティにおける最大の問題となっている。 フレイザーの声は、その象徴として大きな意味を持っている。 --- ## 8. 結論──フレイザーの発言は“未来の映画産業への警鐘”である ブレンダン・フレイザーの批判は、単なる映画ネタでは終わらない。 それは、 **「映画を文化として扱うのか、会計上の商品として扱うのか」** という、ハリウッド全体を揺るがす根源的な問いだ。 * IP依存 * コンテンツの大量生産 * 公開されない映画 * 会計戦略が作品を決める時代 これらに対してフレイザーが投げた言葉は、クリエイターや映画ファンだけでなく、SNS世代の価値観にも深く刺さるものだ。 今後ハリウッドがどの方向へ向かうのか──その答えを知る上で、今回のフレイザー発言は“時代のターニングポイント”として記憶されるはずだ。 --- ## 参考リンク * [https://au.variety.com/2025/film/news/brendan-fraser-batgirl-movies-commodified-content-hollywood-30200/](https://au.variety.com/2025/film/news/brendan-fraser-batgirl-movies-commodified-content-hollywood-30200/) * [https://gizmodo.com/batgirl-brendan-fraser-warner-bros-dc-studios-2000689567](https://gizmodo.com/batgirl-brendan-fraser-warner-bros-dc-studios-2000689567) * [https://theplaylist.net/brendan-fraser-laments-batgirl-cancellation-commodification-of-movies-into-disposable-content-i-mean-with-respect-we-could-blight-itself-20251121/](https://theplaylist.net/brendan-fraser-laments-batgirl-cancellation-commodification-of-movies-into-disposable-content-i-mean-with-respect-we-could-blight-itself-20251121/)
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