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Linux Foundationが「Agentic AI Foundation」を設立
Linux Foundationが「Agentic AI Foundation」を設立
12月 14, 2025
### AIエージェント時代の主導権を握る“オープン標準”とは何か Linux Foundationが、新たに「Agentic AI Foundation(エージェンティックAI・ファウンデーション)」の設立を発表した。生成AIが一気に普及した2023〜2024年を経て、次のフェーズとして注目されているのが「AIエージェント」だ。今回の動きは、AIが自律的に動く時代を見据え、その基盤をオープンな形で整備しようという明確な意思表示と言える。 OpenAI、Anthropic、BlockといったAI・テック業界の中核企業が参加している点からも、この取り組みが単なる実験や理念にとどまらないことが分かる。AIエージェントを“一部の企業の専有技術”にしないための、本格的な標準化プロジェクトが始まった。 --- ## そもそもAIエージェントとは何か AIエージェントとは、ユーザーの指示や目的を理解し、自ら判断しながら複数の作業を連続して実行するAIのことを指す。従来の生成AIが「質問に答える」「文章を作る」存在だったのに対し、AIエージェントは“行動するAI”だ。 たとえば「来月の出張を準備して」と伝えると、フライトの検索・比較、ホテルの予約、スケジュール登録、経費管理ツールへの反映までを自動で行う。人がアプリを行き来しながら行っていた作業を、裏側でまとめて引き受ける存在と言える。 この考え方はすでに欧米のSaaSや開発者コミュニティで急速に広がっており、アプリやツールは「人が操作する前提」から「AIが操作する前提」へと設計思想が変わりつつある。 --- ## なぜ今「標準化」が必要なのか AIエージェントが注目される一方で、大きな課題となっているのがエコシステムの分断だ。各社が独自のエージェント設計や通信方式、ツール連携の仕組みを採用すれば、エージェント同士は連携できず、開発者は特定ベンダーに縛られてしまう。 これは、かつてクラウドやコンテナ技術が乱立していた時代と似ている。共通ルールがなければ、技術は広がらず、結果的にユーザー体験も限定的になる。Agentic AI Foundationは、この状況を防ぐために設立された。 Linux Foundationが主導する理由もここにある。同団体はLinuxやKubernetesなど、現代のITインフラを支えるオープン技術を育ててきた実績を持つ。特定企業の所有物ではない“共通基盤”を作ることで、技術を世界規模に広げてきた経験を、AIエージェントの領域に応用しようとしている。 --- ## Agentic AI Foundationが目指すもの Agentic AI Foundationの目的は、AIエージェントのためのオープンな仕様やリファレンス実装を整備することにある。具体的には、エージェントの振る舞いの定義、エージェント同士や外部ツールとの通信方法、権限管理やセキュリティの考え方などが対象になる。 これにより、異なる企業や開発者が作ったAIエージェント同士でも、同じルールの上で協調して動くことが可能になる。開発者は特定のプラットフォームに依存せず、柔軟にAIエージェントを組み込めるようになる。 --- ## 参加企業が示す「本気度」 参加メンバーには、OpenAIやAnthropicといった生成AIの中心的存在に加え、決済や金融領域で影響力を持つBlockも名を連ねている。これは、AIエージェントが単なる実験的技術ではなく、業務システムや社会インフラに組み込まれる段階に入っていることを示している。 AIエージェントが決済、契約、業務処理に関わる以上、透明性や信頼性は不可欠だ。Linux Foundationという中立的な組織の下で標準化が進むことで、企業・開発者・ユーザーのいずれにとっても安心できる土台が整う。 --- ## SNS世代にとって何が変わるのか 10〜40代のSNSユーザーにとって、AIエージェントは少し遠い存在に感じられるかもしれない。しかし、実際には日常体験を大きく変える可能性を秘めている。 将来的には、スマホアプリやWebサービスの裏側でAIエージェントが常駐し、ユーザーの代わりに操作や判断を行うようになる。予約、支払い、情報整理といった“面倒な作業”は、意識しないうちに処理される。重要なのは、その裏側がブラックボックスではなく、共通ルールに基づいて動いているかどうかだ。 --- ## AIエージェント時代の分岐点 Agentic AI Foundationの設立は、AIエージェント時代の方向性を左右する分岐点と言える。もし標準化が進まなければ、AIは一部企業の囲い込み技術になりかねない。一方で、オープンな基盤が整えば、誰もがAIエージェントを活用できる時代が現実のものになる。 生成AIの次に来る主役は、間違いなく「動くAI」だ。その未来を、誰のために、どんなルールで作るのか。Agentic AI Foundationは、その答えをオープンな形で示そうとしている。 --- ### 参考リンク * [https://www.linuxfoundation.org/press/linux-foundation-announces-the-formation-of-the-agentic-ai-foundation](https://www.linuxfoundation.org/press/linux-foundation-announces-the-formation-of-the-agentic-ai-foundation) * [https://forest.watch.impress.co.jp/docs/news/2070046.html](https://forest.watch.impress.co.jp/docs/news/2070046.html) * [https://gihyo.jp/article/2025/12/agentic-ai-foundation](https://gihyo.jp/article/2025/12/agentic-ai-foundation) * [https://openai.com/index/agentic-ai-foundation/](https://openai.com/index/agentic-ai-foundation/)
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