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「Oxford University Press (OUP)」が選んだ 2025年の“今年の言葉”は rage bait — なぜ今この言葉が選ばれたのか、その背景と私たちの“SNS時代の付き合い方”を考える
「Oxford University Press (OUP)」が選んだ 2025年の“今年の言葉”は rage bait — なぜ今この言葉が選ばれたのか、その背景と私たちの“SNS時代の付き合い方”を考える
12月 05, 2025
### 🔎 rage bait とは? — 「怒り」を引き出す“釣り”コンテンツ 2025年12月、「Oxford Word of the Year 2025」が発表され、その栄えある言葉に選ばれたのが **rage bait**。これは「怒り (rage) + 餌 (bait)」を組み合わせた造語で、「あえて人々の怒りや憤りを引き起こすよう設計されたオンラインコンテンツ」を指します。挑発的、攻撃的、あるいは不快感を与えるような内容で、ユーザーの感情を揺さぶることでクリック数やエンゲージメントを狙うものです。 ([Oxford University Press][1]) 従来の“クリックベイト (clickbait)”が「クリックを誘う興味・好奇心」を煽るのに対し、rage bait は「怒りや憤り」といった“ネガティブな感情”を狙っているのが特徴です。OUP は、過去 12か月でこの表現の使用頻度が3倍になったと報告しています。 ([Oxford University Press][2]) --- ### 📅 なぜ 2025年に rage bait が“今年の言葉”になったのか? * **激変するニュース・情報環境** 2025年は社会不安、経済的混乱、政治・社会対立の多さ、AI/テクノロジーを巡る議論など、世界的に“感情が揺さぶられやすい”トピックが多く、人々の注目・反応を集めやすい年でした。━ こうした情勢が、感情操作としての rage bait の人気(?)を後押ししています。 ([Oxford University Press][2]) * **SNS とアルゴリズムの“怒り拡散”設計** SNSのタイムラインやおすすめ機能は、エンゲージメントが高い投稿、つまり「いいね」「コメント」「シェア」が多い投稿を優遇する傾向があります。多くの場合、それらを生むのは冷静な情報よりも、怒りや論争、憤りを呼ぶコンテンツ。つまり、rage bait は「バズる設計」をアルゴリズムにうまくハマっているのです。OUPもこうした“注意 (attention)”の集め方の変化を指摘しています。 ([Oxford University Press][2]) * **言語化されることで見えてくる、デジタル社会の構造** かつては「ただ何となく“いやな気持ちになる動画・投稿”」だったものが、「rage bait」という言葉によって明確に定義されたことで、多くの人が「これは意図された炎上/分断だ」と気づきやすくなりました。言語化には“認識の共有”と“防御力”を高める力があります。 こうした社会状況とメディアの変化が重なり、rage bait は「その年の言葉」に選ばれるにふさわしい存在となったのです。 ([Oxford University Press][2]) --- ### 😵 rage bait がもたらす影 — doomscrolling, 情報疲れ, 分断 「怒りを引き起こすコンテンツ」が大量に溢れる環境は、私たちにとって簡単に“病みコンテンツの無限ループ”を生み出します。主なリスクとしては以下のようなものがあります: * **精神的な疲労・ストレス** 常に刺激的なニュースや投稿にさらされることで、知らず知らずのうちに「心がザワつく」「気分が落ち込む」「怒りが収まらない」といった状態を招く — いわゆる doomscrolling(延々とネガティブニュースを追いかけてしまう状態)。 * **分断と対立の助長** あえて対立や怒りを煽る投稿が増えると、人々の間の溝や価値観の違いが過剰に強調され、公平な議論や冷静な理解が阻害されやすくなります。 * **アルゴリズムへの依存と操作** SNSや動画プラットフォームの「再生数」「いいね」「コメント数」が収益や露出につながる構造の中で、感情を煽る投稿が優遇され続けると、コンテンツの質よりも“刺激性”が重視され、本質的な内容よりも炎上ネタが増え続けるという悪循環。 こうした問題の根本を指摘し、警鐘を鳴らす言葉が **rage bait** なのです。 --- ### 🔧 私たちができる「rage bait 時代のリテラシー」 では、どうやってこの“感情操作コンテンツ社会”と付き合えばいいのか? 以下のような考え方や習慣が役立ちます。 #### ✅ 1. 情報を鵜呑みにしない — “感情に任せた即シェア”は禁止 怒りを感じたからといって、即レスポンスや即シェアするのは注意。少し時間を置いて冷静になってから、「本当にその情報は信頼できるのか」「自分はなぜこの投稿に引っかかったのか」を考えてみる。 #### ✅ 2. ニュースソースをチェック/多角的に情報を得る 見出しだけで判断せず、できるだけ信頼できる報道機関や公式ソースにあたる。別の視点や意見も探して、“偏り”をリセット。 #### ✅ 3. SNSの使い方を制限 or デジタルデトックスを取り入れる タイムラインを見すぎない、通知オフ、あえて休む — 冷静さと心の平穏を取り戻す時間を持つことも大切。 #### ✅ 4. “炎上”に乗らない/燃料を与えない コメントやいいね、シェアで加熱に加担せず、「冷静に」「丁寧に」「余裕をもって」振る舞う。 #### ✅ 5. 言葉に敏感になる — rage bait を“見抜く力”を養う たとえば、タイトルがやたら挑発的・過激、議論をあおるような書きぶり、極端な倫理観や断定調。こういう投稿が来たら、一呼吸置いてから接する。 --- ### 🌐 日本のSNS世代にも突きつけられる課題 日本でも、SNS や動画プラットフォームの文化が若者を中心に根強くなっています。特に政治・社会問題、ジェンダー、労働問題、生活コストの高さなどが議論されやすく、感情を揺さぶるネタは拡散されやすい。 また、日本特有の「空気を読む」「同調圧力」「ネットリンチ」といった文化もあって、一度“炎上旋風”が起きると、多くの人が巻き込まれやすい構造がある。 そんな中で、2025年に rage bait が“今年の言葉”に選ばれたことは、単なる辞書的な流行語というより、「私たちが今、どんな社会にいるのか」を象徴しているように思えます。 --- ### 🧠 SNSとどう付き合うか──怒りで動かされる前に 「感情を揺さぶる投稿」「扇動的なタイトル」「過激な意見」。こうしたコンテンツに流されることは、一見“刺激的”であっても、心や思考を消耗させ、無自覚に“世論”を形づくることにつながりかねません。 一方で、自分の日々を落ち着いて過ごし、情報への接し方を意識的に選ぶことで、rage bait の影響を受けにくくなる。 言葉には力があります。ならば私たちも、自分の感情を引きずられず、言葉と情報を“道具”として扱う選択を、まずは自分でできるはずです。 --- ### 📚 参考リンク * The Oxford Word of the Year 2025 is rage bait — Oxford University Press [https://corp.oup.com/word-of-the-year/](https://corp.oup.com/word-of-the-year/) ([Oxford University Press][1]) * 2025年の「今年の単語」が決定、怒りを煽る「レイジベイト」 — CNET Japan [https://japan.cnet.com/article/35241121/](https://japan.cnet.com/article/35241121/) ([japan.cnet.com][3]) [1]: https://corp.oup.com/word-of-the-year/ "Oxford Word of the Year 2025" [2]: https://corp.oup.com/news/the-oxford-word-of-the-year-2025-is-rage-bait/ "The Oxford Word of the Year 2025 is rage bait" [3]: https://japan.cnet.com/article/35241121/ "2025年の「今年の単語」が決定、怒りを煽る「レイジベイト」"
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